≪「2回目は夢より適正」≫

結局管理者を救ったのは、結果的に詐欺師のアドバイス、「次の職見つけるまで今の会社辞めるな」

  「汚い、嘘ついて人から金を巻き上げるような業界だ。」
  そう私の親も知人も商品先物取引業と聞いて言いました。
しかし、私にしてみればそんなの何も商品先物取引業を知らない人間の言う事で、 『実際は株と変わらない、ちょっとその損得の差が激しいだけ。それは何も 知らない人間の言う事』と思っていました。
  管理者は、見込み客さんとの人間関係を作り、十分信頼してもらい、 最後はある意味お礼?の代わりに契約をくれる・・そんな顧客との関係を妄想していました。 しかし実際待っていたのは・・管理者は甘かった。甘すぎたのです・・・。
  そして嘘をつく練習までさせられた管理者は耐え切れず退社を決意しました。
  『やはり次は夢より適正だ・・。」これが管理者の決意だったのです。


  私が商品取引業にて神田周辺の中小企業を回っていると、何度も門前払いを喰らううちに、 オレンジジュースまで出して歓待してくれるオヤジに出会います。聞けば昔は某王手銀行で 最速の昇格をしたとか?
  その入口には、「ヤクザの事務所だ!」とひと目で思うような看板がしてある。 ドアにも「営業お断り」の札もちゃんと貼ってある。普通誰でも避けるところです。
  そんな時、昔CozyCornerのバイトにてよくアイスコーヒーを注文してくれた ヤクザの事務所を思い出した。店長、マネージャ、以下社員など誰も行きたくはないので いつも私にやらせていたのです。
  しかし彼らはカタギには優しかった。むしろ、食器も洗って綺麗に返してくれて いたのです。そんな過去を思いだし、また「私が避けたいと思うと言う事は皆も避けたいはず。 つまりこの手の営業にはスレていないはず!」と私らしい決断をして「こんにちはっ!」と 元気よくノック。「どうぞ〜」と言うものの、物凄くその人は驚いた様子です。何故か その人はオレンジジュースまで出して歓待してくれ、すっかり私も彼とは仲良くなるのです。 (って契約はくれませんでしたが・・)。

  さて、3ヶ月ほど経ち、『相場が上がっても下がっても儲けの機会は均等にある』 のが商品取引の魅力と思う一方、『そんなシステムの説明するだけ無駄!全部上がるって言いなさい』 と毎朝嘘を付く?練習をさせられるのです。『これはビジネスなんやから・・・』と言う部長。 それ以来管理者は『ビジネス』=『お金の為には嘘をついても良い』と言う言い訳にしか聞こえなくなり、 最も嫌いな言葉となるのです。
  結局心労か神経病を患う管理者。退院するとすぐにそのオヤジに会いに行きました。
  「俺もお前には合わないと思ってたよぉ〜」と今となっては嬉しい一言。 「でも次の職見つけるまで今の会社辞めるなよ。これは裏切りとかじゃないんだぞ。」
と今となれば値千金のアドバイス。その言葉にならい、営業中に転職先探し。
  「2回目は夢より適正」と考えてプログラマーとしての道を選択するのです。
  数学科卒と言う適正あってなのか、実にあっさりと転職先決定!
管理者ははれてシステム開発業に従事する事になったのです。